現代宗教2008

特集:メディアが生み出す神々

国際宗教研究所 編


A5判 248頁
定価 2,310円
(本体2,200円)

ISBN978-4-87023-630-1


【特集】

メディアが生み出す神々

宗教には否定的でも、霊視・霊感をうたうテレビのスピリチュアル番組には興味を持つ人が多い。宗教を巡るメディアの問題点を探る。

 テレビで「スピリチュアル・カウンセラー」や人気の占い師が大活躍している。マンガやアニメの中には宗教的な素材がたくさん出てくる。映画やゲームのなかにも宗教や神話のテーマは大いに活用されている。インターネットでも宗教やスピリチュアリティに関する情報はにぎやかである。
 電子メディアが広まった現代に生きる人々は、家庭や学校では宗教に接することがなくても、あらゆるメディアを通して宗教的なもの、スピリチュアルなものに身をさらしてる。
 しかし、メディアの中には質の悪い情報も多々含まれているし、個々人が不適切な受け止め方をしたり、断片的な情報のつぎはぎで粗悪品に変えてしまう場合もある。そんな場合、発信者側から是正のしようがないのが現代メディアの特徴でもある。
 こんな事情なので、メディアの悪影響で「いのち」の感覚が狂ってきてしまっているのではないかと懸念する人もいる。昨今、「死」を「リセット」として理解する子どもが多いのではないかと心配する人がいる。ゲーム機の中でヴァーチャルないのちを育て、うまくいかなければリセットしている感覚が人間関係にも及んでいるのではないか。輪廻転生の観念が人気をよぶのも、人生をリセットしたいという意識の反映ではないか。
 もっとも、メディアが伝統や共同体から宗教を切り離す方向ばかりに作用しているわけでもない。古今東西の偉大な宗教的文化遺産は、新聞・書物を含めメディアが好む素材を提供している。メディアを通して文化財としての宗教に触れ、求道心を起こす人も多い。これはメディアが伝統宗教を活性化させている側面である。
 特集「メディアが生み出す神々」は、メディアと宗教をめぐるこうしたさまざまな問題のいくつかに切り込んでいくことをねらっている。

「現代宗教」は、前回
(2007年版)より
東京堂出版 様
から
秋山書店
に発行元が変更となりました。
御注文の際はお間違えのない様
お願い申し上げます。


《収録内容》

●対談

宮崎哲弥× 島薗 進 [司会・渡邊直樹]
─マスメディアとスピリチュアルブーム─

●論文

堀江宗正 メディアのなかのカリスマ
内藤正典 西欧とイスラームとの衝突
石井研士 ステレオタイプ化する宗教的リアリティ
小城英子 宗教とメディア報道
黒崎浩行 ヴァーチャル参拝の行方
ジョリオン・バラカ・トーマス マンガと宗教の現在
朴 奎泰 アニメと宗教
松井圭介 世界遺産・観光・宗教
松村一男 現代メディアにおける「神話」